オンラインだけのつながりで信頼関係は築けるか

考えていること

今回のコロナウィルスによる影響で、リモートワークをされる方が一気に増えました。

 

管理者にとっては、部下との直接的なコンタクトが取れない中でオンライン中心で部下と信頼関係を作っていくのは大変なことです。

 

リモートワーク自体やったことがない、そんな中でどう部下と信頼関係を作るのか、

そんな悩みを持たれている管理者の方もおられるようです。

 

そもそも、オンラインだけのつながりで人との信頼関係は作れるのか?

今回はこれについて、考えてみたいと思います。

 

 

リモートワークで信頼関係を作れるか?

 

 

結論から言いますと、これについての私の回答は、「作れる」です。

 

これは自信を持っているのですが、それはなぜかと言うと、私自身が実際にそれを実現できた経験があるからです。

それは、オンラインでの読書会を通じての経験でした。

 

 

20198月から10月の3ヶ月間、私は「オンライン読書の学校_読んだら忘れない読書術」という企画に参加していました。もともとそういう団体に所属していた訳ではなく、この企画で初めて参加したので、主催者を含めて初めての方ばかりでした。

最初からそこで「信頼できる仲間を作ろう」というような意識は特に持っていたわけではなく、「自分の知らない読書の方法を学びたい」、「読書の習慣を身に着けたい」という気持ちだけでした。

 

その読書会に参加する中で、意図せず、参加者との信頼関係が築かれていったのです。

ただ、全員と強い信頼関係ができたのかというとそうではなくて、頻繁に顔をあわせるメンバー同士でのことでした。

3ヶ月続けている中で、ほぼ毎日顔を合わすレギュラーメンバーのようなものが自然とできて、そのレギュラーメンバー同士の中での信頼関係が出来てきたのです。

 

その読書の学校は、毎日朝と夜の時間帯に開催されたのですが、日本とベトナムの時差の都合もあって、夜は私の仕事時間と重なってしまうため、私は朝に参加していました。

その時間帯ですが、朝の部は日本時間の朝6時半から7時までの30分。これを月曜日から土曜日まで、毎日です。

クラスは毎日開催されるものの、そこに参加するしないは自由意志というのが学校側のスタンスでしたので毎日参加する必要は無いのですが、初期段階で私は自分に逃げ道をなくすために「毎日朝の会に参加します」と宣言してしまっていたのでした。

 

ちなみに私はベトナムから参加だったのですが、日本とベトナムの時差は2時間です。つまり日本の朝6時半はベトナムの朝4時半。読書の学校が本格的に始まると毎日4時起きの生活が始まりました。

そして読書の学校では、自分が読んだ本の内容についてアウトプットしなければなりませんので、普段通りの仕事をしながら2日に1冊のペースで本を読み、毎朝4時に起きるということを3ヶ月続ける生活となった訳です。

 

実際に始めてみてすぐに分かりましたが、これはなかなかの荒行でした。

私自身、もともとそれほど本を読むほうではありませんでしたので、2日に1冊というペースは結構なプレッシャーです。本を読む時間を十分確保できず、どういうアウトプットをすれば良いかわからない中での参加も何度もありました。

そういう時、「もう今日は休めばいいんじゃない?」そんな甘い囁きが頭をよぎることも幾度もありました。

 

けれど、その次には「いやいや!いつものメンバーも参加している。あの人のアウトプット、次はどんな風にされるのか聞いてみたい。」そんな風に思い、「やっぱり参加しよう!」そういう気持ちになるのです。

いつのまにか「読書仲間に会う」ということも読書会に参加する大きな動機になっていました。そして不思議なことに、そういう気持ちは皆も同じだったようです。

 

結局、読書の学校が終わったあともその時のレギュラーメンバーとは週土曜日の朝に読書会を続けています。読書の学校としてのイベントではなく、自分たちの読書会として。

メンバーそれぞれが、この関係をもっと続けたい、大事にしたいと感じていたことに私は感動しました。この信頼による繋がりは、私のたからものです。

 

しかし、元は見ず知らずだった相手と、どうしてネット上のつながりだけで信頼関係を作ることができたのか?

整理してみましょう。

 

オンラインのつながりで信頼関係を作るポイント

 

読書会を通じて信頼関係を築けたことについて、重要な要素は次の2つにあったと思われます。

 

 

1つは、「読書会に参加して本の内容をアウトプットする」という共通の目的を持って活動したこと。

1つは、読書会に参加するなかで「楽しさ」や「難しさ」といった感情の共有をしながら、新しいことに挑戦して「出来た!」という小さな感動体験の積み重ねを続けたこと。

 

 

つまり、活動テーマや目標を共有して一緒にチャレンジをし、その過程においてお互いの意見をたくさん(ほぼ毎日)交換し、様々な感情を共有することで、徐々に信頼関係ができたと思うのです。

 

 

この経験を通じて、信頼関係を築くのはオンラインで会うだけの人間同士でも可能であり、オンかオフかというのは、信頼関係を作る上で成否を分ける決定的なものではない、ということを知ることができました。

 

そして、困難なテーマに対して目標を共有し、同じ目標を持って挑戦する、というのはまさに同じ仕事をするチームメンバー間でやっていくことでもありますね。

 

そう考えると、「仕事においてオンライン中心のやりとりであったとしても、信頼関係を作ることはできる」と、そう考えることができる訳です。

 

 

特に重要なのは、「お互いの意見を頻繁に交わす」という点かなと思っています。

読書会では、自分がアウトプットした内容に対して、必ず相手からのフィードバックがあります。また相手のアウトプットに対して、自分がフィードバックを返さなければなりません。そういうルールでしたので、自分が発表するときに真剣なのはもちろんのこと、相手のアウトプットのときも真剣に聞かなければなりません。

別なことを考えていてうっかり聞き流すと、フィードバックで何を言えばいいのか分からなくなってしまいます。

 

レギュラーメンバー同士は、ほぼ毎日顔を合わせてお互いの意見を交換していましたので、必然的に意見を交わす頻度も上がります。

レギュラー以外のメンバーとは意見交換の頻度も低いので、結果としてそれほど強い関係にならなかったと言えそうです。

それぞれがお互いの発表内容を真剣に聞き、それに対して「私はこんな風に感じた」、「自分はここが気になった」などの双方の自己開示を多い回数行うことで、信頼度は深まると感じています。

 

まとめ

以上の内容をまとめます。

 

オンラインのつながりで信頼関係を築くために重要なこと

1:活動テーマや目標などを共有する

2:活動する中での感情を共有する

3:意思の交流をできるだけ頻繁に行う(1回1回の交流量は多くなくてもいい)

 

オフラインでも同様なことが言えるので、オンラインかオフラインであるかということは信頼関係構築の成否を分ける決定的なものではない

 

 

 

以上です。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。