2016年の春に週刊少年ジャンプで連載が始まり、2019年の春からアニメ放送が始まるやいなや、たちどころに人気に火がついて今や国民的マンガの1つと数えられるほどに多くの人から支持されている「鬼滅の刃」。
一体このマンガの何がそれほどまでに強く人を惹きつけるのでしょうか。
このマンガには、どんなメッセージが込められているのでしょうか。
今回ご紹介するのは、心理学という切り口から鬼滅の刃にある魅力に迫った一冊。
どのような内容か、早速見てみましょう。
本の概要
マンガ「鬼滅の刃」は、なぜこれほどまでに絶大な人気を得たのか?
「鬼滅の刃」という作品全体が1つの優れた人生の教科書でもあり、「大人も子供も誰もが、誰かから教わりたかった強く生きるための教えがこのマンガには詰まっている」と著者は言います。
教育心理学・キャリア心理学の専門家である著者が、心理学の観点からその内容を紐解いている一冊です。
多くの人の心を掴んだものは何だったのか?
私が最も関心を持ったのは、この点でした。
子供だけでなく大人も熱狂的に支持するのは、一体なぜなのか。
マンガ「鬼滅の刃」には、人生を前向きに捉えて強く生きるためのメッセージがストレートに詰め込まれており、絆を大切にして苦難から逃げず、自分のためではなく大切な人のために立ち向かう主人公やその仲間たちの姿に人は共感し、元気付けられ、感動をするのだと分かりました。
「鬼滅の刃」流の強い自分のつくり方
実際に、このマンガにはどんなメッセージが込められているのでしょうか。
著者はその内容について、詳しく解説してくれています。
忍耐、我慢、努力は決して無駄にならず、乗り越えた者にしかわからない「特別な感覚」、問題を解決する能力を身につけられる
大事なのは、つまづいた時にそれをどうとらえるか
脆弱な覚悟では何も得られない
「誰かのために」という思いは人を強くする
言わずに最初から諦めている人と、とりあえず言ってみる人とを比べると、後者の方が大きなことをやってのける可能性は高くなります。チャレンジする姿勢はたとえわずかでもあった方が良い。
他人から期待されるとそれに応えたくなるのは人間の本能のようなもの
置かれた立場を理解し、使命感を持って与えられた役割をちゃんとこなしている人は、周りの人から好感を持たれます。卑屈にならず、明るく、清々しく振舞っていれば、おのずとその人の株は上がっていくものです。
何から何まで教えてもらえると思っていると、それも間違い。いつまでも誰かに教わりっぱなしで生きていくことはできない
行動した人には得られるものがあるが、行動しなくて考えているだけの人には、何も起こらない
自分の能力を磨いた上で、それをチーム全体の力にする。自分の良さを仲間にも生かしてもらう。
誰かに助けてもらわないと何もできない人が何人集まっても、相乗効果は生まれません。
物事がうまくいくのなら、究極的には、みんなが平和で幸せになれるのなら、瑣末なことは気にしない。自分のことは二の次でいい。
本書はマンガが入り口になっているので、若年層の読者を想定されているからか、心理学という専門的見地から書かれているものの非常に平易な表現で読みやすく書かれています。
マンガに込められたメッセージの本質はとてもシンプルですので、普段から深く思考したり、生き方や人生哲学に関するような本を読む習慣がある人にとっては、もしかしたら目新しいことはないと感じるかもしれません。
しかし、内容はシンプルながらもポジティブに強く生きていくために必要なエッセンスですので、思考を言語化して頭の中で整理するという点から見れば、読む価値は十分にあると感じました。
1つ注意点として、本書にはネタバレ要素があります。もしまだマンガを途中までしか見ていないならば、全て読まれてからの方が良いかもしれませんので、ご注意ください。
強く生きるヒントが欲しい方、誰かに生き方を指南するような立場にある方、そして鬼滅の刃が好きな方にお勧めします。
以上です。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
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